去る3/25(金)、医療安全管理部准教授(GRM)の小坂俊光先生が、ご退職のご挨拶にいらっしゃいました。
自治医大ご卒業後は地域医療に従事され、義務年限を終えたのちに第二内科専属となり、大学の医局員が今の3分の1程度しか居なかった厳しい時代を支えて来られた医師の1人です。第二内科講師から医療安全管理部へ専属として異動され、長きにわたり大学病院の医療安全にご尽力されていました。循環器内科の若い世代の医師達は循環器病棟で一緒に働いたことが無い人も多いですが、佐藤和奏助教が大学院生として最後の教え子となることもあり、花束贈呈をしました。
「インシデントレポートは犯人捜しではなく医療従事者を守るためのものである」と啓蒙され、その提出数が年々増加していることは周知の事実です。「インシデントレポートが多い病院は良い病院である」とは一見逆説的ではありますが、インシデントレポートの多さは透明性の高さと医療安全に対する意識のバロメーターであるということです。医療は、人間を相手にして人間が担うものである以上、ヒューマンエラーをゼロにすることは不可能です。だからこそ、医療安全管理が重要になるわけで、起こった事案がどんなに小さなことでも報告し、それをシェアすることで再発防止につなげるという医療従事者の意識と、病院の構造とをつくることが大事なのだと思います。その仕事が容易ではないことは想像に難くありません。本当にお疲れ様でした。
今後は、横手市の大森病院副院長(内科)として地域医療従事に復帰されると伺いました。小坂先生、長い間お世話になり、ありがとうございました。